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『帳簿の世界史』 世界経済を支える陰のインフラ

帳簿の世界史

帳簿の世界史

 

ルネサンス期のイタリア、スペイン帝国ルイ14世のフランス、ネーデルラント連邦共和国大英帝国、独立初期のアメリカ。これらの国家が栄えた理由は会計にあったと著者は断言する。会計というと、すこし地味で、企業のなかでも比較的目立たない部署、ないしは役割を担うイメージも少なからずあるかもしれない。

しかし著者に言わせると「会計は企業の経営者や一国の指導者が現状を把握し、対策を立てるのに役立つ」し、「よい会計慣行が政府の政府の基盤を安定させ、商業と社会を活性化させる」。要は近代文明で非常に重要なシステムなのだ。

本書に登場する人物もかなりユニークで、たとえばルイ14世の会計顧問コルベール、イギリス史上最も成功した陶磁器メーカーの創始者ウェッジウッド、アメリカの初代財務長官アレクサンダー・ハミルトンなどがいる。