『太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで 上・下』日本が勝っていた6ヶ月間
1942年12月8日の真珠湾攻撃から1942年6月のミッドウェイ海戦まで日本は勝っていた。本書はその「日本が勝っていた」約6ヶ月の海戦に焦点をあてたノンフィクションである。海軍史家の著者イアントールは、当時の戦闘報告、手記、文献、研究成果などをもとに当時の状況を臨場感たっぷりに描く。
なかでも、刻々と変わる戦況に応じて日米の海軍上層部(日本は山本五十六、南雲忠一、アメリカはニミッツなど)が意思決定をしていく場面は印象に残った。自分がもし山本なら南雲なら、あるいはミニッツならと読み進めていくのも面白いかもしれない。
ちなみに本書は、著者による太平洋戦争海戦史三部作の第一作目にあたるという。アメリカではすでに二作目『太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで』が刊行されている。近々日本でも翻訳版が発売予定。