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『ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)』個性際立つインパクト

ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)

ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係 (岩波科学ライブラリー 生きもの)

 

ハダカデバネズミはこの本で市民権を得たかもしれない。2009年科学ジャーナリスト賞を受賞した一冊。ハダカで、デッパで、ネズミで、外見はしわしわの焼き芋のような不思議なこの生き物は、じつはアリやハチと同じく女王が君臨する階級社会の中で生活している。つまり真社会性哺乳類なのだ。

デバ(愛着を込めて著者はこう呼んでいる)は、平均80匹、最大300匹の群れで生活している。一匹の女王、数匹の繁殖オス、数十匹の働きデバと兵隊デバから構成され、それぞれに役割分担があるらしい。

ちなみにデバは哺乳類としては常識外れに長寿命だという。著者が飼育する女王デバは推定37歳というから驚きだ。さらにデバは17種類の鳴き声を持ち、状況に応じて使い分ける。暗いトンネルの中でコミュニケーションをとるには視覚、嗅覚、触覚いずれも使い物にならないからだ。知れば知るほどじつに不思議な生き物である。