ざっくりノンフィクション

最近読んだ本をざっくり紹介。ノンフィクション中心。

『盆栽 BONSAI 』美しい名品 一挙公開

盆栽の入門書です。文庫というコンパクトなサイズながら、盆栽の歴史や名木のカラー図版が豊富で、内容がとても充実しています。

一般的に盆栽は年寄りくさいイメージがあるかもしれません。しかし個人的には以前から興味をもっていました。鉢の上という限られた空間で樹木を育て、時間をかけて一つの景色を創り出すところに魅力を感じているからです。

そんな盆栽ですが、現在大きく2つのジャンルがあります。「松柏盆栽(しょうはくぼんさい)」と「雑木盆栽(ぞうきぼんさい)」です。松柏とは、松や檜のような常用針葉樹の総称であり、雑木類にくらべて生命力が強いため、樹齢を重ねた古木が多く、盆栽界の中心となっています。一方、雑木は松柏とは異なり、その大部分が落葉樹系の樹木です。四季に応じて芽吹きや紅葉といった変化が楽しめる点が大きな特徴です。

上述のような初心者向けの説明ももちろん参考になりますが、やはり本書のイチバンの魅力はなんといっても、歴史に残る松柏盆栽や雑木盆栽の名品をカラー図版でたっぷり紹介している点です。パラパラとページをめくるだけでも盆栽の名品が次々と目に飛び込み、その美しさに思わずため息が漏れます(ちなみに全190ページ中、100ページ近くがカラー図版)。盆栽に興味がある人もない人も楽しめる一冊です。