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『1493 世界を変えた大陸間の「交換」』世界の成り立ちを知る

1493――世界を変えた大陸間の「交換」

1493――世界を変えた大陸間の「交換」

 

グローバル化という言葉をよく耳にする。Wikipediaによると「社会的あるいは経済的な関連が、旧来の国家や地域などの境界を越えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象」を指すようだ。

そのグローバル化とは近年始まった現象ではない。1492年にコロンブスが大西洋を渡り、最初にアメリカ大陸に到達したのがすべての始まりだった。それをきっかけに1493年以後、ユーラシア大陸とアメリカ大陸、アフリカ大陸のあいだで生物と文化の交換(=コロンブス交換)が盛んになった。グローバル化とはちょうどその時期に始まった現象であり、コロンブス交換こそがグローバリズムの触媒だったというのが本書の趣旨である。

著者のチャールズ・C・マンは、コロンブス交換によってとくに影響を受けた地域、生物、資源に焦点をあて、各地で起きた変化を詳述していく。たとえば対象となる生物や資源として、タバコ、銀、ジャガイモ、サツマイモ、トウモロコシ、グアノ(鳥糞石)、ゴムノキ、マラリア原虫、黄熱ウイルスなどを取り上げている。

ちなみに、コロンブス交換の恩恵にあずかったのは為政者や当時の先進国のごく一部で、直接関わった人の多くは耐え難い苦しみを味わっていた。おもにコロンブス交換から派生した疫病、飢饉、為政者による搾取、虐待などが影響している。本書はこうした人々の苦闘の歴史も追っている。

1493年以後、世界は絶え間ない交流によって、ときには衝突と混乱を引き起こしながら、生態系は変容を遂げ、経済的な結びつきを深め、世界規模でグローバル化が進行した。すべてはコロンブス交換の産物だったのだ。その意味でコロンブスは新世界を「発見」した人物ではなく、新しい世界を「創り出した」人物として記憶されるべきかもしれない。