ざっくりノンフィクション

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『スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える』人間拡張工学から目が離せない

スーパーヒューマン誕生! ―人間はSFを超える (NHK出版新書 480)

スーパーヒューマン誕生! ―人間はSFを超える (NHK出版新書 480)

 

スーパーヒューマンという言葉を聞いたことはあるでしょうか? 空を飛び、光のような速さで走り、目から熱線を放射し、驚異的な視力を持ち、怪力を発揮する。アニメやSFだけに生きる空想上のキャラクター。イメージは大体こんな感じです。そんなスーパーヒューマンが最新テクノロジーによって現実世界に誕生する日がまもなくやってくる。それを実現させる技術・研究の最前線を紹介しているのが本書です。

たとえば、腰や脚部に装着することで重たい荷物の持ち運びをアシストするパワードスーツ、筋肉の電気信号や筋運動による皮膚表面の変化を読みとる従来タイプとは異なる電動義手、「グーグルグラス」や「アップルウォッチ」のようなウェアラブルコンピューター、ヘッドマウントディスプレイなどに代表されるVR技術などです。ちなみに、近年これらの成果が次々にもたらされるきっかけとなった技術的ブレイクスルーは、センサーや信号処理技術の飛躍的向上によるところが大きいそうです。

もちろんスーパーヒーマンを生み出す過程はまだ発展途上で、完全実現に向けて人間拡張工学(人間にもともと備わっていた運動や感覚、知的処理機能をテクノロジーによって物理的、情報的に拡張することを目指す研究領域)をどう応用させていくか、研究者は日々格闘しています。