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『城のつくり方図典 改訂新版』お城をつくる気分に浸る

城のつくり方図典 改訂新版

城のつくり方図典 改訂新版

 

実生活にまったく役立たない本です。現代日本において大半の人は城をつくる予定などないでしょう。そんな状況などお構いなしに、ゼロから真面目に城のつくり方を説明しています。初心者からゼネコン関係者まで読むに耐える内容の仕上がりになっていると思います。

本書の内容に沿うと、城のつくり方には大きく3つの作業工程があります。「縄張り(なわばり)」「普請(ふしん)」「作事(さくじ)」です。まず縄張り。城を設計することを意味しています。具体的には、城地を定め、曲輪(城を構成する区画)を築き、虎口(曲輪の入口)を定めるというものです。

次に「普請」。城壁や土塁や堀を築くことを意味しています。言うまでもなくそれらは敵の侵入を防ぐために築くものです。城壁を築くためには、基礎工事として地面を少し掘り下げて、根石(ねいし)と呼ばれる石垣の最下段で土台となる石を据えて、その上に積み石を築き上げていく。堀をうがつには、曲輪の造成と並行して掘削が必要とされています。土塁は堀の副産物とも言えるもので、平地に大きな堀を堀り、その土砂を掻揚げて盛ればOKです。

最後に「作事」。天守や城門や櫓や御殿などを建てることを意味しています。天守の骨組みは土台・柱・梁・桁および柱盤でできていて、天守台の石垣の上に土台を敷き、その上に交互に柱や梁を組み上げていくというシンプルなものですが、強度は柱にかぎると現代の一般住宅の八十倍を超えるとも言われています。天守を上げたら、あとは曲輪の隅に櫓(有事の際は防衛拠点、平時の際は軍需物資の貯蔵庫として機能した)、虎口に城門、城内の平地に御殿を整備していけば、ほぼ完成です

他にもここでは紹介しきれないほど城のつくり方にまつわる知識や技法がたくさんあります。もっと詳細が知りたくなったら是非本書にあたってみてください。